私たちの考える
「お墓とは」
お墓づくりをなりわいにしていると「そもそも人は、 なぜお墓を建てるのだろう」と考えることがあります。 そういうとき、 いつも最後にたどり着くのは「たましいの存在を信じているからなんだろうな」という答えです。
「tama」や屋号「たま企画室」の由来も「たましい」、 漢字で書くと「魂」です。
「霊」「玉」「珠」も同じような意味で「たま」と読むことがありますが、なかでも「魂」は 私たちが表したい内容そのものを指しています。 すなわち「精神」とか「精気」とか「心」とか、「生き物すべてに宿って想いをつかさどっ ているもの」、「肉体が滅ぶと離脱して浮遊すると考えられてきたもの」です。
人は「亡くなった人にもたましいはある、そのたましいを慰めたい」と思うからお墓を建てるのではないでしょうか。
現代は、 さまざまなタイプのお墓が登場していますね。 お墓をつくるとき、 大切なのは「故人の安らかな眠りを願う心」と「故人を慰めにいくお墓参りの習慣」をもつことだと私たちは考えます。 お墓の本質は一旦、 それで満たされるのではないかと思います。 ただ「故人の安らかな眠りを願う」方法は、 宗教や宗派によって異なります。
たとえば仏教では「供養する」という方法で冥福を祈ります。 そして供養する方法は、真言宗、 天台宗、臨済宗、 曹洞宗、 日蓮宗、 浄土宗、 浄土真宗など、 それぞれの宗派によっても違うところがあります。 ですから施主であるお客様のご意向をうかがいながら、 故人が安らかな眠りにいざなわれるように、できるだけ故人の信仰に則った形式のお墓をつくりたいと考えています。
そのうえで加えさせていただくなら、 誰もが故人のために祈りたくなるようなお墓をつくることが私たちのテーマです。
旅先の道の端や野原で古くて小さなお墓や供養塔が集められた場所に出合うと、来歴など わからなくてもそっと手を合わせたくなります。 きっと近隣の心ある方たちが、 ⻑年にわたって大切に祀ってきたのでしょう。 その心を含めて美しい光景だと感じるのです。
100年先も1000年先も、 見知らぬ人にさえ大切にされるお墓をつくりたい。
それが制作者としての私たちの願いです。