こんにちは、たま企画室です。今日は、Tamaブログの閲覧者の方から「先日のブログ『一石五輪塔群』のトップ画像の場所はどこですか?」とお問い合わせをいただきましたので、場所も含めて少しご紹介させていただこうと思います。
場所は滋賀県蒲生郡日野町の妙楽長興寺跡(みょうらくちょうこうじあと)で、そこに五輪塔群があります。これらは室町時代以降のものと思われ、もともとこの地にあったものではなく、後に集められたものだと思います。
また、こちらには鎌倉時代後期の宝篋印塔(現高約195cm)もあり、見所満載です。少しご紹介しますと、基礎は二段式で壇上積式(だんじょうづみしき)、四面に格狭間(こうざま)を入れ、内部は三面を開花蓮(かいかれん)、残り一面に散蓮華(ちりれんげ)を陽刻しています。塔身(とうしん)には金剛界四仏(こんごうかいしぶつ)の種子(しゅじ)が刻まれ、笠は下二段上五段、隅飾(すみかざり)は二弧素面(にこそめん)です。相輪(そうりん)は、下から伏鉢(ふくばち)・請花(うけばな)・九輪(くりん)・請花・宝珠(ほうじゅ)で構成され、請花は上下とも単弁(たんべん)です。九輪は四輪目で折れていましたが、修復されています。報告書には、塔身が上下反対で九輪が折れた状態で説明されていたので、その後に修復されたのだと思います。
何はともあれ、このなんとも言えない独特の空気感がたまりません。ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。「お墓ってこうあるべきなんだ、こうあってほしい」と思わせてくれる場所です。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。今日は少し石造美術に触れましたので、近々ブログで『石造美術について』を書きたいと思います。質問やご意見がございましたら、お気軽にコメントやお問い合わせをいただければ幸いです。今後とも、たま企画室をどうぞよろしくお願いいたします。
参考文献 田岡香逸著『近江の石造美術3』(民俗文化研究所)