こんにちは、たま企画室です。今日はお客様から「生前にお墓を建ててもいいですか?」というご質問をいただきましたので、そのことについてお話しさせていただこうと思います。
結論から申し上げますと、生前にお墓を建てることは「縁起が良い」とされています。
日本は古代から中国の文化や制度を取り入れてきました。この中には葬儀や墓地に関する知識も含まれており、その一つに寿陵があります。「寿」と「陵」の漢字の意味を調べてみると、
・寿:長寿や健康、繁栄、祝福を意味します。古くから「寿」は長生きすることを象徴する漢字です。
・陵:古代の王や貴族の墓を指します。大規模で立派な墓、特に丘や山を築いたものを意味します。
このように、「寿陵」という言葉は、もともと長寿と立派な墓を意味する漢字を組み合わせており、最終的には「生前に自分のために作った墓」を指すようになりました。
仏塔思想、お墓の本質(日本人のお墓のコンセプト)などお墓全般の研究をされていた石文化研究所 元所長 の故・小畠宏允氏が執筆された小冊子「日本人とお墓シリーズ(4)『生前墓ってどんな墓』」によれば、「練供養」や「胎内くぐり」、「還暦」などさまざまな「擬死再生」(生きているうちに「死んだ」体験をし、あらたに「生まれ清まる」)の行事が古くから民間信仰としてあり、その一つが生前にお墓を建てる「寿陵」だったということです。こうした行事や風習は、病気が治り、これまでの罪が消え(=滅罪)、健康で長生きできるという現世利益によって、多くの人々の信仰を集めていたそうです。
また、仏教では寿陵墓のことを「逆修塔」といい、あらかじめ自分の死後の供養をすることで、その功徳は計り知れないと「地蔵本願経」という経典に書かれています。小畠先生は、生前、私によく「高橋さん、私が伝えることはすべて経典に書いています!お釈迦さんは必ず約束を守ってくれますよ!」と口癖のように言っていましたので、私は生前にお墓を建てると必ずご利益があると信じています。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。質問やご意見がございましたら、お気軽にコメントやお問い合わせをいただければ幸いです。今後とも、たま企画室をどうぞよろしくお願いいたします。
日本人とお墓シリーズ(いしぶみ (株)石文社HP) https://www.ishicoro.net/SHOP/ohaka001015.html